Apache POIでスタイルを作りすぎると開けないExcelファイルが出来てしまう
Apache POIとは
Java向けのExcelファイル操作ライブラリです。xls/xlsx両対応。
公式サイトはこちら https://poi.apache.org
.NET版のNPOIもあり、ほぼ同じ構成なので同じように当てはまる事象と思われます。
前提として
POIのセルのスタイルの設定方法については以下のQiitaを読んで下さい、
http://qiita.com/unishakoooo/items/58a8c2d3a178c965ee94
Apache POIでセルスタイルを設定すると他のセルにまで適用される
そもそも開けないExcelとは
POIで帳票を作成する際に、セルの罫線などの書式をCellStyleというクラスで扱いますが
これは、Workbook(ワークブック=xls(x)ファイルそのもの)の所有物です。
上記の通り、createStyleすれば新しいスタイルを作って、セルに適用できるのですが、
ワークブック内のスタイルの数には制限があります。
- xlsの場合 4000個くらい
- xlsxの場合 64000個
Excel の仕様および制限 - Excel
https://support.office.com/ja-jp/article/Excel-の仕様および制限-16c69c74-3d6a-4aaf-ba35-e6eb276e8eaa
で、これを超えるとファイルを開く際にExcelがエラーを表示してファイルが開けなくなります。
で、何が問題なのか
workbook.createCellStyle(); するとスタイルが一個作成されます。
例えば、セルの色が黄色なセルが5000個あって、全てのセルで毎回 createCellStyle() すると
開けない.xlsが出来上がってしまいます。
#この場合、上記のQiitaの最初の通り、Styleのインスタンスを使い回せば何の問題もありません
スタイルのパターンが少ない場合はStyleのインスタンスを使い回しする方法でなんとかなりますが、
例えば、テンプレートファイルがあって、そこに色を付ける処理をする際は、セルごとにStyleを
生成するしかありません。そして、色を付けるセルが4000を超えると、またしても開けない.xlsの
できあがりになります。
ではどうするか
セルのスタイルが同じである場合は、CellStyleのインスタンスを使い回すようにして下さい。
・・・。
なんて事をいちいち書いてたら納期遅れか徹夜一直線です。
POIの開発チームは親切にも対策を用意してくれています。
CellUtil.setCellStyleProperty() です
// 普通に書くとこうなりますが、これだとスタイルが必ず新しく作られてしまう
CellStyle cellStyle = cell.getCellStyle();
CellStyle newStyle = workbook.createCellStyle();
newStyle.cloneStyleFrom(cellStyle);
style.setFillPattern(CellStyle.SOLID_FOREGROUND);
style.setFillForegroundColor(IndexedColors.YELLOW.getIndex());
cell.setCellStyle(newStyle);
// CellUtil#setCellStylePropertyを使えば、同一スタイルをdistinctしてくれます!
CellUtil.setCellStyleProperty(cell, book, CellUtil.FILL_PATTERN, CellStyle.SOLID_FOREGROUND);
CellUtil.setCellStyleProperty(cell, book, CellUtil.FILL_FOREGROUND_COLOR, IndexedColors.YELLOW.getIndex());
まとめ
CellUtilにはこれ以外にも、getRow()など便利なメソッドがあります。
#素のsheet.getRow()はrowがないとnullが返るが、このメソッドは自動で新規作成してくれる
と言うより、個人的見解ですが・・・
POIの *Util(CellUtil以外にもいくつかあります) にメソッドがある操作は、そっちを使った
方が幸せになれます。
#というか、落とし穴おおすぎー